計算力をつけるには その1
今回は計算力についてです。
数学は、最近の傾向として、論理的思考力、図形認識力などが求められるようになってきました。考える力、組み立てる力、発想力といったものです。教科書や入試の傾向も思考力に明らかにシフトしています。このような傾向があるので、「計算はさほど重要ではなくなってきている」という考えが出てきます。また、パソコンやスマホを使うことが当たり前になってきていますので、「計算はコンピューターに任せてしまえばいい」という考えも出てきます。これはこれで、間違ってはいませんが、正しくはありません。計算力は昔も今も重要です。仮にテストでスマホが使えたとしても、文字が入った方程式をスマホで解くのはかなり難しいはずです。スマホを使うより、紙に書いて解くほうが断然速いはず。そして、何よりも、どんな式を作れば解けるのか、どんな計算をすれば解けるのかが分からない限り、スマホが目の前にあっても無用の長物になってしまいます。スマホやパソコンに解かせるためには、計算方法を入力しないといけないのです。
最近の公立高校の入試では、計算自体はそれほど難しいものではありません。計算方法を考える力が要求されています。計算は基本的なレベルのものをいかに正しく、速く解いていくかがポイントです。
計算は数学、算数だけでなく、理科でも4つの分野(エネルギー、物質、地球、生命)すべてに関わってきます。電流・電圧、密度・水圧・浮力、運動・仕事量、化学変化における質量、水溶液の濃度、地震の速度、神経伝達の速度…など、かなり広い範囲に関わってきます。
それでは、計算力をつけるにはどうしたらよいのでしょうか。標準的なレベルの計算問題を正しく、速く解くためにどういう学習、練習が必要なのか。これは、昔も今も変わらず、「王道」があります。数学が苦手、計算問題でよくミスをする生徒に共通するパターンがあります。改善するにはどうしたらよいか、これは次回、書きます。