40点の壁 60点の壁
第2回目は学校のテストの話しです。小学生なら教科書準拠のテスト、中学生なら定期試験についてです。
おそらく学校の先生方はテストの平均点を 50~60 点くらいになるように考えておられると思いま す。全員に対して段階的な評価がつけやすいからです。 学校のテストは授業、教科書で習ったことから出されます。習ったことが定着できていれば、50~ 60 点は取れます。しかし、勉強が苦手な生徒さんはいつも 40 点がなかなか超えられない。いつも 20 点 ~30 点前後を取ってしまう。一方で、平均点くらいは取るけれど、80 点以上はほとんど取ったこと がない生徒さんもいます。つまり、40点の壁と70点の壁があるようです。偏差値で言うと、40、60 くらいになるかと思います。
40 点を超えられない原因は、学習したことを正しく覚えてい ない、正しく使えていない、ミスをしてしまうことにつきます。数学、算数であれば、かけ算、わり算、分数、小数の計算が正しくできないことであったり、 「検算」をすれば、ミスに気づけるのですが、検算をしないことも原因の1つです。 計算の基本が定着していないことが原因です。英語なら、現在形か過去形かといった時制、主語は何人称か、単数か複数かといった、英語文法の最も基本といえる項目をあやふやに覚えていることが原因です。新しい知識を理解し、覚えても、それらを使う前にミスするケースが多くあります。
これに対処するには、問題を数多く解いて身につけるしかありません。まずは手をたくさん動かすこと。手を動かせば頭を使います。頭を使え ば、解き方は自然と身につきます。40 点の壁を超えるには、まず知識を正しく覚え、正しく使う練 習をたくさんすることです。60 点くらいまでは必ず上がるはずです。
次に60点の壁についてです。例えば、次のような数学の問題があります。
問題 2つの続いた正の整数があります。小さいほうの整数を2乗した数は、大きいほうの整数の11倍より1大きくなります。2つの続いた整数を求めなさい。
この問題には、「〇〇を使って解きなさい」という指示はありません。何を使って解くかを考えなければなりません。正の整数とありますから、1と2から順番に当てはめていく方法がありますが、いつ正解にたどり着くのか?そんなことはしません。解法は、2つの整数を x とx+1 と置いて、2次方程式を作っていきます。ここでは、問題は何を求めているか、どの知識を使って解くか、何に気を付けなければいけないかに気づくこと、これが60点の壁を超える条件になります。
40点の壁は「次の方程式を解きなさい」と書かれている問題を正しく解答すればクリアできます。60点の壁は、どの知識を使って解くかを見つける必要があります。
それでは、60点は難しい壁かというと、そんなことはありません。学校のテストというのは習ったことの中からしか出ません。習ったことの中から、気づけばいいのです。しかも、定期テストは範囲が決まっていますから、気づくのはそれほど難しくはないはずです。答えは、教科書の中にあります。「あれかな?」、「これを使ってみよう」と習ったことの中からいろいろと「試してみる」ことです。そのような練習は、やはり問題演習の中にあります。80点以上を取ることは決して難しくありません。