計算力をつけるには その2
前回の続きで計算力についてです。
今回は、計算が苦手な場合、どうすればいいかについて書きます。
計算が苦手な生徒というのは、共通して、途中式がいい加減ということにつきます。途中式を1つずつ書こうとせず、部分々をメモで済ませようとするのですね。しかも、そのメモがページの余白に取っ散らかって書きます。
例えば、 3(5a-7b)-2(3a-4b) +10a÷5を計算しなさい。
という問題の場合、パーツを計算した15a、 -21b、 -6a などを適当な場所にメモしていこうとします。本人しか分からないメモになっています。途中式は、等号(=)の縦位置を合わせて書き、式を展開、移動、まとめたりしていくのがあるべき方法です。例えば、
3(5a-7b)-2(3a-4b) +10a÷5
=15a-21b- 6a+8b+2a
=15a-6a+2a-21b+8b
=11a-13b
と、誰が見ても分かりやすく、きれいに書いていくべきです。
苦手な生徒の2番目のパターンは、頭の中でやろうとすることです。書いてやれば間違わないものを、「面倒だから」、「これくらい暗算でできる」と思い込んでいることが原因です。頭の中でやった時に起こるミスは、ほぼすべて符号のミスです。マイナスするべきものをプラスしていたり、その逆をしていたりです。このことに関して、私の前職であるベネッセの同期で、今は幼稚園の園長、学習教室をやっている友人がいます。彼は、東大出身なのですが、「数学は手でやるものだ」という教えを徹底していました。手でやるというのは、計算のやり方にあてはまります。それ以外にも、応用や発展問題で、与えられている設定条件、問題の答えに至る過程で判明したこと、こうすれば解けるのではないかという仮定の方法を目に見えるように書いていくという教えです。
数学の成績は、「手で書く数式の量」、「途中式の美しさ」ここに秘訣があります。