国語の力をつけるには③

前回に続き、国語力の３回目です。

学習で大切なことの１つに、「同じことを繰り返す」があります。繰り返すことで効果をある教科として、真っ先に挙げられるのが、英語です。そして、理科、社会もそうです。また、数学も同じ問題を２度３度と解くことで、理解と定着が深まります。当塾でも、繰り返しは、かなり意図的に組み込んでいます。

国語はというと、どうでしょうか。漢字や文法は覚えなければなりませんし、古文や漢文といった古典も、古語を覚えたり、読み方を覚えたりしなければなりませんので、同じ問題を解くのも効果が期待できます。ところが、現代文の読解では、同じ問題を繰り返し解くことは、あまりなされていないかもしれません。実際、私自身も国語の読解問題を繰り返し解きなさいと、指導された経験がないですし、学生の時、やったこともほとんどありません。当塾でも、これまではめったにやったことはありませんでした。

そのような中、授業で読解問題を生徒に解いてもらったとき、よく出来る日とあまり出来ない日のバラツキがとてもあることが気になったからです。その日の調子や気分といった流動的な原因要素もあると思いますが、文章を読むことが定着しきれていない、そして読むことに深みが生れていないように感じたのです。つまり、表層的、表面的に読んでしまっているのではないかと。もしくは、感覚に頼って読んでしまっているのではないかと。もし、それが当てはまっているのだとしたら、読解力をつけるには、新しい問題ばかりを解くのでなく、一度やった問題を、繰り返し解いてみてはどうかと考えました。読み方に深みが生れ、深みが生れると、設問に対して、根拠を持って、しかもきちんと考えて解答してくれるのではないかという期待をもって。

さて、その結果は？　とてもよい効果がありました。解答の出し方を見ていると、ちゃんと考えて答えている、ということがよく分かりました。生徒自身も、前回初めて解いたときは、何となく回答したとか、たまたま正解したという設問があったようですが、２回目では、きちんと読めているな、深く読めているな、そのような手ごたえを感じているようでした。